財団法人朝鮮奨学会

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I.奨学会について
II.奨学生募集・選考事業
III.高校奨学生
IV.大学奨学生
V.図書関係
VI.その他事業
各講演の要旨


代表理事挨拶


 公益財団法人朝鮮奨学会は2025年に創立125周年を迎えます。

 120年有余の長い歴史を誇る朝鮮奨学会は、祖国解放後、わが民族の奨学育英機関として新たなスタートをきり、これまで9万人以上の高校生、大学生、大学院生の就学を支援してまいりました。奨学金の給付を主軸に、1961年からの奨学事業費の総額は178億円を超え、現在でも毎年約4億円の奨学金を給付する日本有数の奨学財団になりました。

 こんにちまで幾多の困難を乗り越えながら、民族の人材育成にご尽力された朝鮮奨学会のすべての関係者の方々に、私は心からの敬意を表します。

 2020年以後、世界中での新型コロナウイルスの感染拡大により、日本でも社会活動が制限され、本会事業も少なからず影響を受けました。そして2023年にコロナ感染症が5類に移行され、ようやくすべての対面行事が正常に行われるようになりました。在日同胞社会の未来である奨学生たちの元気な姿を目のあたりにして、本会役職員一同、改めて自身の役割と使命を心に刻みつけることとなりました。

 奨学生のみなさん!
 朝鮮奨学会には、さまざまな専攻と志をもった人々が集まってきます。本会の重要な使命は、奨学育英事業を通してみなさんの“学び” をサポートすることと共に、同じ民族的ルーツを持つ人々に交流の場を提供することであると考えています。民族の誇り、アイデンティティを胸に険路逆境を乗り越え、世界に羽ばたくべく勉学・研究に励んでください。

 当財団に寄せられる同胞社会の期待は益々高まるばかりであり、時代の要求に沿って改革し、解決しなくてはならない諸問題も多くあります。私は思想・信条、所属団体を超え、在日同胞社会の変化と多様な要望に合わせて、「継承・革新・未来創造」の信念のもと、代表理事としての責務を誠心誠意、全力で果たしていく所存でございます。

 本財団の事業に対して、何卒関係各位のご指導とご支援を賜わりますよう心よりお願い申し上げます。

2024年8月
公益財団法人朝鮮奨学会
代表理事 申 敏 浩

代表理事挨拶

 

 2024年6月より韓国側代表理事を拝命しました朴相泓(パク・サンホン)と申します。これまで本会を支えて来られた先人の努力に深い敬意を抱きながら、今後、公益財団法人朝鮮奨学会の代表理事としての役割をしっかりと果たしていく所存であります。
 
 本会は、1900年代初頭の大韓帝国時代の留学生監督を淵源とし、韓国併合後の朝鮮総督府による留学生の管理・統制機関としての機能を経て、解放後は日本に於ける在日同胞学生への奨学事業を目的とした存在へと変遷して参りました。
 特に1945年の祖国解放以降、韓半島に於ける南北分断と戦争の悲劇による混乱が生じる中、1956年対立と混乱の状態を乗り越え、日本人有識者と共に南北双方の代表で理事会を再建し、3者による運営を行う現体制を構築した事は特筆すべき歴史であり、本会が唯一無二の育英事業体であることを表しています。
 
 本会はこれまで在日同胞が差別と貧困の時代の中でも、自主財源によって就学・進学を目指す在日同胞学生の為に返済義務のない給付型奨学金の支給を継続して来ました。
また、日本の学校に通う同胞学生同士の交流の場づくりや学術奨励事業を行うなど、韓半島にルーツに持つ学生たちのアイデンティティの確立を支援する側面も持ち合わせています。本会の長い歴史が物語るように、これまで延べ9万名以上の奨学生が採用され、元奨学生が各界各層で活躍している事は、私たちの誇りでもあります。
 
 現在、同胞学生を取り巻く環境について考える時、日本の中で韓半島を巡る情報や人の流れはますます加速し、その中でポジティブな情報が拡大する一方、差別や偏見を助長するネガティブで誤った情報も蔓延しております。
 
 多様な文化や価値観こそ社会発展の原動力となるこの時代に、変化を受入れられず排外的思想を強めヘイトスピーチやヘイトクライムに走る人々がいる事も事実であります。
 情報が氾濫するこの時代こそ、同胞学生は自らのアイデンティティを強みとして活かし、多くの情報を読み解けるよう知識を広げて、社会を牽引していくリーダー的存在となる事が望まれます。その可能性を説き、支えていく事も本会の歴史的な使命であります。
 
 激変する時代の中、在日同胞社会も世代交代が進み大きく変貌を遂げようとしています。
 本会は、過去の歴史から学び、賢明な自己判断と選択の下、在日同胞社会の未来を支える奨学育英財団としての歩みを進めて参ります。
 皆様の更なるご支援・ご協力を宜しくお願い申し上げます。

2024年8月
公益財団法人朝鮮奨学会
代表理事 朴 相 泓